月別: 2017年10月

韓国大統領の戦時通信網、北の電磁パルスに無防備
戦争のような非常事態では、一般の通信網が破壊されたり、作動しなかったりして、大統領の軍事・行政上の指示が伝わらない事態が想定される。そうしたケースに備え、全国95カ所には「全国指導通信網」が設置されており、有事に際し、大統領が国の主要機関、軍を指揮できるようになっている。しかし、この通信網には遮蔽（しゃへい）施設がなく、北朝鮮による電磁パルス攻撃には無防備であることが27日までに分かった。
科学技術情報通信部（省に相当）などが国会に提出した資料によると、通常の有線・無線通信が途絶した場合に備えた国家指導通信網は、電磁パルス攻撃対策が全くなされていない状態だという。
問題は国家指導通信網も電子通信機器であるため、電磁パルスの影響を受けざるを得ず、それに対する遮蔽設備が整っていないことだ。専門家によれば、北朝鮮がソウル上空30－100キロメートルで核爆弾を爆発させた場合、それによって発生する電磁パルスの影響で、ソウルだけでなく、大田付近までさまざまな電子通信機器が作動しなくなる。通常の有線・無線電話だけでなく、国家指導通信網もまひする可能性が高い。
韓国政府は2000年に国家指導通信網事業を開始した当時、電磁パルス攻撃の可能性を想定していなかったが、15年になって問題を把握し、国家指導通信網に電磁パルスを防ぐ特殊遮蔽施設を設置する対策に乗り出した。
国会議員からは「現在編成されている予算では、統制センター3カ所にしか完全な遮蔽施設を設置することができない」との声が上がっている。
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